「フリーランスの人間はしがらみなく行動できるのに、実際には行動しない人が多い」

 前日のブログコメントでchaosさんは「フリーは個人・身は1つ、名刺三人分で席取りできる組織とは違いますよね。」と書き込んでくれた。意味が分からなかったので検索したところ、言葉の意味は判明しなかったが、興味深い記事が見つかった。
 ニコニコニュースの記事(http://news.nicovideo.jp/watch/nw15223)で、ともにフリー記者の畠山理仁さん[twitter:@hatakezo]と小川裕夫さん(id:ogawa-hiro)が記者会見オープン化の現場について語っている。
 その中で小川さんの発言に関した部分が注意を引く

その一方で、小川さんは「フリーランスの人間はしがらみなく行動できるのに、実際には行動しない人が多い」と、フリーの記者の側にも問題があると指摘する。参加する人の数が少なければ、再び閉じないとも限らない。

 どうやらこの記事が書かれた時点(2010年12月16日(木)13時29分配信)で、参加するフリー記者の人数が少ないことが、記者会見オープン化運動を担っていた人たちの間で懸念材料となっていたようだ。
 結果的に小川さんの懸念は正しかった。朝日新聞が伝えたように、政権交代により記者会見オープン化が実現し始めて2年もたたないうちに「フリー記者の申し込み0」という事態になってしまったのだから。(http://www.asahi.com/politics/update/0805/TKY201108050408.html

 今年2月から一部オープン化された枝野幸男官房長官の5日午後の定例記者会見に、フリーランス記者の参加申し込みがなかった。オープン化以来、申し込みがなかったのは初めて。

 官房長官の定例会見は原則、平日午前と午後の2回開催されている。菅内閣はこのうち毎週金曜午後の会見をオープン化するよう内閣記者会に提案し、記者会も同意した。フリーランス記者は多いときは10人程度が参加していたが、最近は数人にとどまっていた。


 しかし、畠山さんはツイッター上で、朝日新聞の記事に対し自分の言葉では反論せず、記者ではない人の意見をRTしている。それらは要するに「会見より重要な仕事があれば出ないこともあって当然」というもので、そもそも論としては正しいのかもしれないが、実際に取材活動をしているフリー記者が参加人数の少なさを嘆いている以上、現実にはなかなか通用しない理想論なのだろう。
 畠山さんはニコニコニュース編集長の亀松太郎さんのツイートも「みんな優しい」というコメント付きでRTしている。

 言葉は丁寧だけど、メッセージの本質は「ちゃんと会見に出てきて仕事しろ」だよね、これ。